バイオリニスト、メニューイン(Menuhin)が
学習には3つの段階があると解説している。
右手、左手を問わず、テクニックを向上させるさいには3つの段階を経る。
第1の段階は関節を幼児のように柔軟にすること、
これは各関節ごとにチェックする必要がある。
第2の段階はその柔軟な動きを整合させ、弾力性およびバネの力を増進させること。
そして最後にくる第3の段階は力強さ、堅固さ、自由さをさらに発展させること。
この3つの段階は順序を変えては決して生じ得ない。
たとえば堅固さが弾力性よりも先にきたとすると、
硬直という悲惨な結果を生むだけに終わってしまう。
さらに弾力性が完全な柔軟さ、受動的な感じに先んじたとすると、
どこか緊張したぎこちなさが残るはずである。
ヴァイオリニストは、楽器をとり上げたとき、
いつでも正しい順序でこの3段階をふむ用意をもたなければならない
ユーディ・メニューイン「ヴァイオリン奏法」音楽の友社刊より
つまり
1.柔軟
2.弾力
3.力強さ、堅固さ、自由さ
の順番を守るということ。非常に示唆に富む話である。