book review – JUiCANDSEA

オープンダイアログ

オープンダイアログは従来のアメリカ文化的論理性、つまり結論重視型の合理性とはまったくちがう。
対話は手段ではなく、これ自体が目的であるということと
対話の目的は単純な合意や結論ではなく、参加者全員から多様な表現が生まれること、これがオープンダイアログである。
ナラティブセラピーにとても親和性が強そうで、いわゆる気持ちに寄り添うということことなのかもしれない。
アメリカ型論理的思考に侵された現代日本人、特にビジネスマンはそうかもしれないが、合理的を意味する筋論は実は結論から始めるアメリカ型だけではないということを
理解しておかなければ今後多様性文化など理解できない。

帚木蓬生 著「ほんとうの会議 ネガティブ・ケイパビリティ実践法 」(講談社現代新書)がこれに詳しい。

エーゲ

立花隆の最高傑作といわれる著書。
いわゆるジャーナリスト、という枠にはおさまらない人の思惟が立花隆に見てとれる。
20年以上前、作中のアポロン神殿に訪れたが、立花隆がいうように
なにも考えずにただ2時間、そこにいることが大事だというのはわかるような気がする。
彼の考えていたこと、彼にみえていたことを生前もっとアーカイブにしていたらよいのにと
いつもおもっていたが、とうとう亡き人になってしまった。
ジャンルが違えど、同時代をいきた本多勝一氏も最後に総括をしてほしい人の一人である。

多崎つくると日本の販売色

村上春樹の小説、「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」の多崎つくるには色がない。
高校時代の仲良し五人組の名前は赤松慶、青海悦夫、白根柚木、黒埜恵里なのでいずれも色がある。
この四人の色はいわゆる日本の色であり、販売色でもある。
日本の色とは最後に『い』がつく色のことで、
赤い、青い、白い、黒い、の4色。
販売色は商品を売る際に検討すべき、売れる色をさす。

日本の歴史の途中から茶色や黄色が日本の色にはいってきたそうだ。
村上春樹氏はその日本の色を意識してこの4色を選んだのか。
ちなみに黒が日本ではメインになり、黒=陰ということ。
陰翳礼讃がまさにそう。

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