スカーレット – JUiCANDSEA

スカーレットのナラティブ

NHK連続テレビ小説「スカーレット」は細かい演技が秀逸な作品だ。
三林京子さん演じる女中業のスペシャリスト、大久保のぶ子さんが隠し玉として、戸田恵梨香さん演じる、ヒロイン・喜美子さんにお金を手渡すシーンがあった。

喜美子さんの父、北村一輝さんが娘を訪ねにきたその日に、父娘が久しぶりの再開をはたしている、その場でだ。
喜美子さんは自分のしていた雑用が実は内職で、自分が内職をしていたとは理解していなかったので、驚きを隠せない。

急にたずねてきた父親の様子を察してなのか、たまたまのタイミングなのかわからない。
そういうどちらともわからない空気感をちゃんと伝えている丁寧な演出はナラティブ性が非常に高く、ある種の感動をよぶ。

あそこで大久保さんが察しているような表現をしないからこそ、見ている人は自分で目の前の物語に意味づけをし、自分で解釈していくことができる。

自分ごとになれる、ナラティブが高い演出は視聴者をグイグイとドラマの中に引き込み、結果、ファンを形成する。
コンテンツ制作を生業にしているものとしてはこういうナラティブで細かい表現、ストーリーがあると変に嬉しくなる。

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