ロールキャベツ

オッケー!がやたらでてくる。
サンキューもよく目にする。
マジで? ヤバーい、もよく見る。
大阪のおばちゃん、ということばにあめちゃんと返す。

チェアリングがメインの話。

ロールキャベツはそういう小説。

様々な障害と作者はいっているが、障害というほどではない。
何にも起こらない。

癒し系を読書に求めるひとむけ。
文学性は対比である、という定義があるようだが、そうなるとロールキャベツには対比はみあたらないので文学、ではない。
かといって、ドキュメントでもない。
LINEの書き込みを見ている感じに近い。

東浩紀氏と三宅香帆氏の言論プロレス

東浩紀氏と三宅香帆氏の対談は無期限延期になっている。

東浩紀氏は批評家で、一方、三宅香帆氏は文芸評論家である。
同じようで違う役割を果たしているので、水と油かもしれない。
東浩紀氏はまず否定することから事物の本質を見極めようとしているのに対し、三宅香帆氏はもっと読書を広めたいという、どちらかというと肯定から始まる、読書布教家のようなことをしている。
対談をしていがみあって喜ぶ第三者もいるだろうが、結局誰のためにもならないような気がする。
それぞれの持ち場で粛々と活動していってくれるのが言論界では望ましいかもしれない。

かつてのゲンロンプロレス、たとえば本多勝一と山本七平などの言い争いは面白く手を叩いてみていたが、いまそれをすると大惨事になることは予想がつく。
プロレスにならないからだ。
相手を選んで、場合によってはしないのが賢明である。

クラスナホルカイ・ラースローは媚びない

クラスナホルカイ・ラースロー(Krasznahorkai László Krasznahorkai László)氏が2025年ノーベル文学賞を受賞した。
ハンガリー人作家では2人目である。

京都を舞台にした2003年の小説「北は山、南は湖、西は道、東は川」(早稲田みかさん訳)は初版1500部のみらしく、現時点では手に入らない。

映画化された作品「サタンタンゴ」はアマゾンプレミアムで見ることはできるが、7時間ある。
大衆に絶対媚びない作家なのか。

どサゆサ

疋田桂一郎氏はジャーナリストで朝日新聞のコラム、
「天声人語」でおなじみだった名筆家のひとりである。

彼の文章は深代惇郎氏と並んで大変読みやすくかつ品があり
私が大学新聞社のサークルに所属していた時分、
何度も彼らの文章を写経して学んだ。

特に疋田氏の『新・人国記』の「青森県」は名文で
まだ読んだことのない方にはぜひ一読してほしい文章だ。

せっかくなのでここで頭出しを紹介しておこう。

雪の道を角巻きの影がふたつ。
「どサ」「ゆサ」
出会いがしらに暗号のような短い会話だ。
それで用は足り、女たちは急ぐ。
みちのくの方言は、ひとつは冬の厳しさに由来するという。
心も表情もくちびるまで
こわばって「あららどちらまで」が「どサ」「ちょっとお湯へ」が「ゆサ」。ぺらぺら、 
くちばしだけを操る漫才みたいなのは、何よりも苦手だ。

こぎみよい文章のリズムと情景が広がる表現、適度な漢字とひらがなのバランスと体言止め。
いまでも彼の天声人語時代の文章は好きで
何度も読んでは自分のフレームワークになるようにしている。