Think of

清沢哲夫

この道を行けばどうなるものか、危ぶむなかれ。
危ぶめば道はなし。
踏み出せばその一足が道となり、その一足が道となる。
迷わず行けよ、行けばわかるさ

アントニオ猪木さんが1998年の引退試合で詠んだ歌として知られている。
ただこの歌は浄土真宗の僧侶で宗教家・哲学者、清沢哲夫氏が、1951年に発表した詩「道」が原典とされている。

清沢哲夫氏の歌はこうだ。

此の道を行けば どうなるのかと 危ぶむなかれ
危ぶめば 道はなし
ふみ出せば その一足が 道となる その一足が 道である
わからなくても 歩いて行け 行けば わかるよ

清沢哲夫氏は一般的にはあまり知られていないが、
日本の近代仏教思想史の中では非常に重要な方だ。
組織や教条に縛られがちだった仏教、自分とか、ないという仏教に見る東洋哲学、私は大河の一滴だという考えを、否として「個人の生きる指針」へと引き戻す仏教哲学を打ち立てた人である。

実際、文芸評論家の三宅香帆さんもYOUTUBE動画で図書館のよい学校としての大阪国際中学校高等学校を紹介する際に、学校に書かれている上記の銘文の作者、清沢哲夫氏を誰ですかといっていたくらい清沢氏は知られていない。

引用されていた文章は「ふみ出せば その一足が 道となる その一足が 道である」であったので、ここが「此の道を行けば どうなるのかと 危ぶむなかれ ふみ出せば その一足が 道となる その一足が 道である」
まで引用していれば、ああ、アントニオ猪木さんの!となるはずである。

歌の中身がいいか悪いかを私たちはあまり重視していないのかもしれない。
よく聞く言葉か、有名なのか無名なのか。

その程度の知名度でしか判断ができないとすればかなり人生はあやうい。

GO TO LIST