インフレには2種類ある。
デマンドプル・インフレとコストプッシュ・インフレである。
デマンドプル・インフレは需要側が物価を引き上げる形となって物価が持続的に上昇する現象をいう。
供給が需要においつかないことで起こる物価高騰をさす。
品不足の状態なので、企業は価格を引き上げやすくなる。
消費者は総じてお金を持ち余している状態で、
多すぎるお金が、少なすぎるモノを追いかけるとよくいわれている。
主にバブルの時に起こるインフレである。
コストプッシュ・インフレは供給が縮小もしくは制限がかかることでおこる物価高騰をいう。
主に災害や戦争などが原因で、エネルギー価格や原材料価格が上昇し、人手不足による賃金の高騰などで、製品やサービスの価格に転嫁することで物価が上昇する。
賃金が上昇しない状況で物価だけが上昇する「悪いインフレ」である。
インフレの種類によって当然対策がかわってくる。
インフレだからといって、銀行が金利をあげればいいというわけではない。
コストプッシュ・インフレに関しては中央銀行ができることはほとんどない。
インフレがこの2種類のどちらかというわけではなく、今の日本は(2025年10月時点)主にコストプッシュ型とされつつも、徐々にデマンドプル型の要因も混在する「複合的なインフレ」と見なされている。
コストプッシュ型の要因(主因)である、円安での輸入物価の上昇とエネルギー・原材料価格の高騰、食料品価格の上昇は個人ではいかんともしがたく、政府の対応にまかせるしかない。
生鮮食品を除く消費者物価指数の上昇率は2025年になっても2%を超えている状態なので、当初の目標インフレ率は達成している。
ただ、日銀が目標とする「持続的・安定的な2%の達成」については、依然として不確実性が残るとされているので、安心はできない。
個人としてできることは賢い消費をするということと、デザイン屋としてはもっと景気を回させてくださいということだ。
もちろん、無駄なものはつくらない、というのがデザイン屋の使命としては肝に命じなければいけない。