映画 – JUiCANDSEA

東京物語

世界の監督が選んだナンバーワンの映画は日本の小津監督作品「東京物語」だという(「映画監督が選ぶ史上最高の映画TOP30」(2012))。
まったくもってハリウッドらしくない、ヒットの法則にのっとっていないようなごくごくおだやかな小品という感じの映画だ。
絵画的で味わいがあるのは好きだが、プロットはごく平凡な映画である。
監督が好きなのとそれがヒットする、つまり大衆に支持されるのとはまた違うのだという、いい例だ。
こういう日本の風景はもう二度ととれないのだなあとおもいながら見ると実に感慨深い。
『親孝行したい時に親は無し、せれとて墓に蒲団も着せられず』という台詞は印象的だった。
紀子の台詞『私ずるいんです。ずるいんです』というのは紀子の寂しさを
この家族に属しつづけることで紛らわせることができているという現実を指しているような気がする。
勝手な推測ではあるけれど。

ちなみに2位は「市民ケーン」。
これはプロットが秀一で再度見ても感心してしまう。
どちらにしても随分昔の映画が選ばれているのはいまこういう映画が制作できない、つまり採算が見込めないのでつくれないという、
見る側の民度の問題なのかと考えさせられてしまう。

次郎長三国志

マキノ雅弘監督版の次郎長三国志を視聴。全、9本。
まさに和製ミュージカル。
東宝バージョン、東映バージョン、津川雅彦バージョンなど数多くあるが、このマキノ雅弘監督版が一番しっくりくる。
見比べると登場人物がいくらか違ったり、はなしが少し違ったりしておもしろい。

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