某データ分析会社が仮設思考の検討の中で顧客満足度の解像度を上げようとデータ分析をしている。
ただ、「顧客我慢」という項目がでてこないのがちょっと気になる。
顧客我慢とは当たり前にうけられるサービスをうけられないことをいう。
顧客は我慢していないか、ということだ。
ちっとも水がでてこないラーメン屋はどれだけおいしくても二度といかない。
フレーム持ち込みありの眼鏡屋でメガネにレンズをあわせてもらっても、耳の高さに調整してくれない眼鏡屋へはもう二度とかない。
美容室はパーマのお客に対してはコーヒーやお茶がでるのに、カットだけのお客には飲み物はでない。
当たり前かどうかは別として、顧客満足度を上げるのではなく、顧客我慢をさせないという視点でサービスを見直す方がコストをあまりかけずに改善できるはずだ。
顧客我慢を強いると離脱し、二度と戻ってこない。
「離脱してから気づく」のではなく、「離脱前に手を打つ」ことが重要だ。
顧客我慢の視点は一般論を重んじるAIでは自からは弾き出さないだろう。
顧客我慢はそんなに世間では議論されていないから一般論の視点からはまだ出てこない。
顧客我慢を解決できるコツや視点はさまざまな専門書にはのっていたりする。
ただその専門書には著作権の壁があってAIはアクセスできない。
そうなるとその専門書に書かれていることを書評した文章から推測することになるが、レビューがちゃんと書かかれているとは限らない。
大事なコツほどネットにはのっていないのはコンテンツ制作の現場で何度も経験している。
本がフリーで完全公開されている世界線に行かない限り、ネットでは永遠にアクセスできない。
ネットが万能ではない限り、AIも万能にはなれない。
最終調整は事情通の人に聞くしかない。
事情通はそれだけいろんなコストをかけて学び経験してきたのだから、情報フリーのツールの権化としてのAIはどうしても彼らにはかなわない。