『夕暮れの給食室と雨のプール』は小川洋子氏の作品。『妊娠カレンダー』に収録されている。
40ページの短編で、2004年9月6日号『ザ・ニューヨーカー』に英訳版が掲載された。
英題は「The Cafeteria in the Evening and a Pool in the Rain」。
エッセイのような作品で、特にオチがある訳でもないがエドワード・ホッパーが描きそうな映像的な小説である。
小説中にでてくる電報の扱い方は若い世代には伝わらないかもしれない。
雨のプールのシーンは個人的にプールの授業で途中、雨が降ってきた時の思い出とつながってその時の匂いとつながって、いろんなことが連想されてくる。
私の場合は、EPレコード、アリス、涙の誓い、プールに入る前の消毒、目の洗浄、Nゲージ。
多分その時の記憶が勝手につながっているのだろう。
たしかに『ザ・ニューヨーカー』には相応しいしゃれた小説だ。