米澤 敬 著 1600円+税
日下 明 イラスト
創元社
ファンタジーあふれる単位の事例集。
いくつかご紹介。
たとえばオルファクティー。
オランダの生理学者ツワーデマーカー考案の臭覚計で計測した
常人の臭覚度をさす。
いまはその臭覚計はないので幻の単位に。
仏教の経典からは盲亀浮木を取り上げている。
盲亀浮木(もうき-ふぼく)の意味は
目の見えない老海亀が100年に1度、海上に浮き上がった時
偶然穴のあいた浮き木に首をつっこむ確率という意味。
盲亀浮木は確率の単位で約115京分の1。
牛の声の聞こえる距離をクローシャといったり、
猫がひとっ飛びする距離をカッツェンシュプルングといったり。
ここで紹介されているメトン周期とは太陽暦と太陰暦が一致する周期のことで、
太陽暦の19年に相当するなど、どういう認識で世界を切り取っているかを感じられるエピソードが満載されている。
いずれも地域の文化を感じる、ナラティブにあふれた逸話が収められている。
クリエイター必読の絵本。