生産性| 読書の記録 00085

Reading Time: 2 minutes『生産性―――マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの』 伊賀 泰代 著 ダイヤモンド社 ¥1,760
ちきりんこと、元マッキンゼーの伊賀泰代さんが生産性について語っていますが、実際は人材の育成と採用の話がメインです。
そこが組織にとって生産性のかなめだということでしょう。
ざっと読んだところ、この著書ではいかに効率をあげるかということについて書かれていました。
いわゆる手戻りを減らす方法論みたいな感じです。
しかし、効率は効果があってこそ意味があります。
間違った効果をあげるための効率は意味がありません。
このことはドラッカーさんも指摘しています。
ブランク資料(調査用の数値はあけておいて、この数値のないこの資料があれば議論はすすみますかという言質取り手法)などの戦術はおもしろいアイデアですが、会議ばかりをしている人の発想であって、あくまで会議という無駄な時間の効率性をいかにあげるかの手法に過ぎません。
こういう会議のためだけの資料をつくる時間、たとえば神エクセルの作成時間などない方がいいし、その会議自体を、限りなく0にする方法を考えることの方がほんとうは大切なはずです。
本書の最後の方でまずは問題の特定をと書かれていますが、その通りです。
生産性とはなにか、その辺りに問題をまずはおくべきで、そこからの展開ではとおもいました。
会社運営や会議をするためにこの世にうまれてきたわけではありません。なにが大事かということでの問題の特定をすべきでしょう。
辞書的には生産性は資源から付加価値を産み出す際の効率の程度のことをいいますが、なによりもまず付加価値を定義しないといけません。
付加価値を生み出さない効率はやはり生産性とはいわないからです。生産を定義し、付加価値の定義を明示し、付加価値という効果をいかに生み出せばいいのか、その方法とは、という順番ではないでしょうか。
付加価値の定義、特定がないことには効率を良くする方法をライフハックのように語ってもしかたがありません。
人口減少への対応、国際競争力維持の強化、ワークライフバランスの実現は政府の課題で、それら3つを解決できるのが生産性の向上になります。
そういう意識で書かれた本なのですが、実際は生産の部分の定義ができていません。向上の方法も書かれていません。
量を追う発想が生産性を下げるという、ちきりんの指摘も科学的に間違っています。
自分なら、自分の仕事でなら、どう生産性や付加価値を考えるかという意味では参考になりました。
この本はあくまで経営者に対する、ちきりんのプレゼンテーションかとおもいます。
あらためて生産性とはなにかを自問自答してみます。