スカーレットのナラティブ

Reading Time: 1 minuteNHK連続テレビ小説「スカーレット」で三林京子さん演じる女中業のスペシャリスト、大久保のぶ子さんが隠し玉として内職のお金を戸田恵梨香さん演じる、ヒロイン・喜美子さんに手渡すシーンがありました。
喜美子さんの父、北村一輝さんが娘を訪ねにきたその日に、父娘が久しぶりの再開をはたしている、その場でです。喜美子さんは自分のしていた雑用が内職とは知りませんでしたので驚きは隠せません。
急にたずねてきた父親の様子を察してなのか、たまたまのタイミングなのかわかりませんが、そういうどちらともわからない空気感をちゃんと伝えている丁寧な演出はナラティブ性が非常に高く感じます。
あそこで大久保さんが察しているような表現をしないからこそ、見ている人は自分で目の前の物語に意味づけをし補完していくことができます。
自分ごとになれる、ナラティブが高い演出は視聴者をグイグイとドラマの中に引き込み、結果、ファンを形成します。
ドラマの演出論を偉そうに語るのは門外漢として憚れますが、コンテンツ制作を生業にしているものとしてはこういうナラティブで細かい表現、ストーリーがあると変に嬉しくなるものです。